経常収支が黒字だということは、国全体としてみた場合に、外国に「ツケ」で物を売っている事になります。すなわち、国全体としてみた場合、外国に対する貸出が増えているわけです。これは、裏を返せば、政府が財政赤字である分以上に、誰かが黒字(儲かっているという意味ではなく、資金に余裕があるという意味)だということです。
実際、国債保有者を見ると、ほとんどが日本人(主には個人、法人などから預金を受け入れている金融機関)で、外国人の比率は極めて低いものに止まっています。
「国債発行残高が個人金融資産残高を上回ると国債が消化できなくなる」という人もいますが、企業が買えば良いのですから、問題ありません。実際には企業が銀行からの借金を返済し、銀行がその資金で国債を買う事になるのでしょう。昨今の企業が借入の返済に熱心であることを考えれば、これは充分にあり得る事だと思われます。
それでは、景気が回復して企業に資金需要が出てきて、銀行借入の返済を止め、それによって銀行が国債を買えなくなったら何が起きるでしょうか?仮にそうなった場合には、日銀が企業の資金需要に見合った資金を市場に供給することになるでしょうから、心配いりません。他にも安心材料はあります。景気がよくなれば、財政赤字が縮小します。税収があがると同時に景気対策の必要性が減りますから、景気回復は財政赤字縮小という金の卵を産む鶏なのです。景気がよくなれば、雇用が増えて個人の所得が増え、国債を購入する余力が増加します。また、海外から日本の民間部門への投資が増加し、民間部門の資金余剰が拡大するかもしれません。
それでは、日本人が国債を買わずに資金を海外投資に振り向けるようになったらどうなるでしょうか。そうなれば、ドル高円安になり、輸出が増加し、国内の景気が良くなり、財政収支は改善するでしょう。重要な事は、現在の日本に足りないのは需要であって、供給力は有り余っているという事です。ドル高になって日本製品への需要が増せば、いくらでも対応できる潜在的な能力を日本経済は有しているのです。 |