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円高がデフレを通じて景気を圧迫する効果は小さそうですが、輸出入数量を通じて景気を圧迫する効果は、大きいかもしれません。
円高になると、輸出が困難になる一方で、輸入が増えてただでさえ少ない国内需要を食ってしまいますから、国内企業の生産にはダメージとなります。生産が減れば雇用が減り、消費が減り、景気は更に悪化するでしょう。
問題は、どの程度円高が進むのか、それにより輸出数量がどの程度減るのか、輸入数量がどの程度増えるのか、という事ですが、これは難しい問題です。10%程度の円高は過去にも何度もありましたが、「日本製品は品質が高いので高くても買いたい」という海外の需要に支えられて、輸出数量の激減は避けられて来たことを考えれば、今回も影響は小さいかもしれません。しかし、消費者が低価格志向を強めている事を考えると、輸入品の値下がりが国産品から輸入品へのシフトを加速する可能性もあります。
今一つ判断が難しいのは、激減した輸出が回復する力は非常に大きいので、円高による実質純輸出の減少(=輸出入数量を通じた景気へのマイナス効果)など気にならない、と言えるのか否かです。半減した輸出数量が2年か3年で回復するとすれば、増加スピードは非常に早いでしょうから、円高によるマイナス効果はこれに隠れて見えない、という事も考えられるでしょう。
実質実効為替レート(為替レートの変動に加え、諸外国との物価上昇率格差も考慮して求めた輸出困難度指数)をみると、過去20年の平均近辺に位置しており、水準としては、それほど厳しい水準ではありません。しかし一方で、過去1年間で急激に困難度が増しており、これがどのように影響するのか、といった点も重要になります。(暖冬に慣れた体にとって、平年並みの寒さに戻る事の打撃は大きいかも知れない、という事でしょう)。
こうした判断は、スーパーコンピューターと経済学理論を駆使しても正しい答えが出るわけではなく、エコノミストたちの長年の経験と勘に頼るしかありません。
筆者としては、どちらかと言えば引き続き強気を続けたいと思います。したがって、景気は回復を続け、二番底は経験しない、と予想します。もっとも、昨今の情勢は、長年の経験と勘が当てにならない面も大きいため、「あまり自信のない強気論」といったところでしょうか。 |