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景気の見方読み方
Nov.09

2009.11.20

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「国債増発は必要なコスト」

はじめに> <景気は税収の源> <無駄の排除は焦らずに
財政赤字と金利> <景気回復が最大の国際貢献


はじめに
 

景気は、あいかわらず回復を続けています。現在は政策に支えられた回復ですが、政府が対応を誤らなければ早晩自律的な回復軌道に乗るものと期待される所です。そこで気になるのが国債増発を巡る昨今の議論です。今回は、国債増発について考えてみましょう。

景気は税収の源up
 

景気が悪い時には、財政が景気を支える事が必要です。公共投資と減税には一長一短ありますが、いずれも財政赤字を拡大させるという副作用を伴なうことは共通です。
財政赤字は望ましいものではありませんが、不況期には必要なコストとして目をつぶるべきです。財政赤字の拡大を懸念して財政政策を採らずにいると、景気が更に悪化して財政赤字がかえって拡大してしまう、という事にもなりかねないからです。
実際、バブル崩壊後の日本でも、景気が少し回復してくると財政引き締めが図られ、結果として景気を再度悪化させて財政赤字の更なる拡大を招いた事がありました。

景気が回復すれば税収は自然と増加しますし、景気対策の必要もなくなります。その意味で、財政にとって景気は「金の卵を産む鶏」ですから、財政を再建させようと思うほど、景気を大切に見守り育てる必要があるのです
無駄の排除は焦らずにup
 

民主党は、無駄を排除することで新規施策の財源を捻出すると言っています。長年続いた自民党政権の下で様々な既得権や無駄が生じていることは大いに考えられますから、方針としては正しいのでしょう。しかし、急いではなりません。
第一に、無駄であるか否かを見極めるのに時間が必要です。急いで削ってみたら、意外と必要なものであった、という事態は避けるべきです。「3年かけて無駄を削る」というくらいが現実的でしょう。
第二に、好況期の無駄と不況期の無駄は異なるという事です。不況期には、「税金で穴を掘って税金で埋める」行為がケインズによって「必要な景気対策」だとされているわけですから、これを削るのは景気が回復してから、ということにすべきです。

結果としては、「無駄と有益を選別するのに時間を要し、その間に景気が回復する」という大変望ましい展開が予想されるわけですが、くれぐれも政府が焦って性急な歳出削減に走らないように願いたいものです。
財政赤字と金利up
 

財政赤字が膨らむと長期金利が上昇して景気に悪影響を与える、という議論があります。理論的には、そうした面もあるのでしょう。しかし、気にする必要は全くありません。
財政赤字が悪化しそうだというニュースが流れると、長期債市場の参加者がそれを材料にして取引をしますから、長期金利は上昇します。しかし、金利が上がったままで推移するわけではありません。その分は時間をかけて低下していくのです。その何よりの証拠は、長期国債の残高が何百兆円も積みあがっているにもかかわらず、長期金利は歴史的な低水準にあるという事です。長期国債が増発されるたびに上昇していくのであれば、現在のような水準になっている筈が無いからです。
そもそも長期金利は短期金利の将来の予想を基に決まる事が基本であって、需給は副次的な要因に過ぎません。長期的に低成長、デフレ気味の経済が予想される国では、長期金利が高騰する筈はないのです。

ここで、財政赤字を10兆円増発して景気対策を採るケースと採らないケースを比較してみましょう。現在すでに数百兆円の残高にのぼっている長期国債の残高が、新たに10兆円増えたとしても、それによる長期金利の上昇は限定的でしょう。また、長期金利がわずかに上昇した事により民間の投資が大きな影響を受けるとも思われません。むしろ、財政出動による景気の回復でビジネスチャンスが増え、民間投資は増加するかもしれないのです。
景気回復が最大の国際貢献up
 

現在の世界情勢を見渡すと、日本に期待される最大の国際貢献は、内需の拡大により世界経済の回復を牽引することでしょう。
一方、中国だけが順調に成長を続け、日本経済が対中輸出に頼って這い上がる、というのでは、世界の中でもアジアの中でも日本のプレゼンスが縮小していくばかりです。

こうした国際的な観点からも、国債増発は止むを得ないと考えるべきでしょう。
今回は以上です。
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