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景気の見方読み方
Aug.09

2009.8.1

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「職場としての銀行(学生向け)」

はじめに> <自己紹介> <銀行員というもの
会社員というもの> <採用面接の印象


はじめに
 

景気は相変わらず回復を続けています。弱気派の根拠は「遅行指標である雇用と設備投資」と「金融危機の後遺症としての住宅投資」に限定されていて、説得力は今一つです。各国政府の対策が一巡する来年以降に二番底が来ると懸念する向きはありますが、政府が「そうならないようにソフトランディングを図る」か「出口戦略を焦った失策により景気を再び腰折れさせる」か、という議論はあまり生産的ではありません。

そこで、今回は景気論議をお休みして、学生向けに行なった話を御紹介します。講義ノートなので話し言葉になっていませんが、御容赦ください。

(1)自己紹介up

 

1981年 銀行に就職
  2005年 大学に転職

(2)銀行員というものup

 

○ 「お堅い」「多忙」「高給」「娘の嫁ぎ先にしたい」イメージだが・・・

  • カネを扱う商売なので、他にも増して信用第一。お堅いイメージは重要・・・社風が堅くなりがち
  • 「仕事も年収も同期の倍」は過去の話。現在は大学時代の同期と大差なし(銀行間格差の方が業界間格差よりも大きい模様)
  • 「娘の嫁ぎ先」に相応しいか否かは、何とも言えず。特に否定はしないが、積極的に勧める事も無い

○ 総合職は幹部候補。一般職はルーティン・ワークが主

  • 総合職は、営業成績を上げれば出世
    ―営業は、貸出を増やす、預金を集める、投信を売る、等々のノルマを達成した度合いで成績が決まる面が大
    ――製品差別化が困難なので、顧客のニーズを把握するなど、顧客満足度を高める工夫が重要。現実には熱意の勝負に頼る例も多。
    ――上司を説得して顧客の資金繰りを助ける仕事は、責任も達成感もあるが、つらい判断も少なくないのが現実
    ――営業成績上位者は、ノルマを決める部署などに異動する場合も
  • 一般職は、決められた仕事を真面目にミスなく行なうことが重要
    ――主な仕事は、店頭の顧客対応、総合職の補助、事務部門
    ――仕事量と処遇が比例しないが、「恥の文化」が勤勉性を担保

○ 「終身雇用」は30年間。50歳を過ぎると出向、転籍

  • 新入社員は、平日は下働き、週末は資格取得の勉強
    ――自販機の集金、日銀金庫で札束と格闘、等々の経験も
  • 若手社員は、営業のノルマと格闘。週末は引き続き資格取得の勉強
    ――他社や関連会社への出向で多様な経験を積む場合も
  • 管理職は、部下の管理・・・コンプライアンスとノルマの達成
    ――人事権というムチはあるが、人心掌握も重要な要素
  • 50歳を過ぎると、中堅中小企業に出向し、その後転籍
    ――銀行は人口ピラミッドの維持、受け入れ側は人材の確保と、相互にメリットあり。相互依存関係は、メインバンク制の一側面
  • 自発的な転職は増加しているが、現状では「手に職のある人」中心
    ――国際関係の業務、為替や株のディーラー、エコノミスト等々は比較的転職しやすいが、営業マンの転職例は少数
(3)会社員というものup
 

○ 組織の一員とは、対内的には組織の歯車、対外的には組織の代表

  • 組織の一員だから相手が信用する。これは組織の存在意義の一つ?
    ――自分一人で銀行を開いたら、誰も預金してくれないはず
    ――給料の半分は自棄酒の費用?
  • 若手担当者の発言も、対外的には組織の発言
    ――担当者が「貸します」と言えば、(法的にはともかく、社会的には)銀行に貸し出す義務
  • 組織の方針には全員が従う必要
    ――方針変更を働きかけることは場合により可だが、結論には従う

○ 最も重要なのは、上司、同僚、部下、顧客などとの対人関係

  • ――試験の成績とは全く異なる採点基準
  • 信頼される事が最低条件。信用を失うと仕事は出来ない
  • 付き合う相手を選べないので、嫌な相手と「うまく」接する必要
  • 社内は長い付き合いなので、「損して得とれ」
  • ○ 終身雇用が今でも基本だが、自分を磨いておく事は重要な「保険」

    • 30年後は終身雇用とは限らない
    • 30年後も会社が安泰とは限らない
    • 自分を評価してくれる人を外部に求める必要が出てくる可能性も

    ○ 文系学部卒の幹部候補に社会が期待するのは、論理的思考力の養成

    • ――知識は原則として利用されず
    • ――英語を生かした仕事、簿記1級を生かした経理の仕事などは、ゼネラリストとしてのキャリアアップに資するとは限らず
    • ――ゼネラリストは総合的な判断力が重要

(4)採用面接の印象up
 

○ 明朗快活、真面目、素直、コミュニケーション能力は必要条件

  • 体力、根性、学業成績、人生に対する熱意、等々は加点材料
  • 総合職(多様、荒削り)に比べ、一般職は「練習充分」で一様

○ 優秀か否か、よりも相性で決まる面あり

  • ――会社との相性であれば、落ちてラッキーかもしれない
  • ――担当者との相性であれば、アンラッキーだが、嘆いても無益
  • ――数多く受けること、落ちても落胆しないこと、が重要
  • ――面接の練習は、相手の視点で自己アピールを評価する事が重要

○ 公開情報のみならず、非公開情報が重要

  • ――社風は大切。和気藹々かノルマ地獄か、ワンマン社長の横暴か
  • ――2年目以降の給与、フリンジベネフィット等も実際には重要
  • ――採用基準(男女平等か、学歴重視か、等々)も企業により相違

○ 自分の人生観と合った職業を選ぶ事が重要

  • ――社風と自分の人生観が合わないと、終身雇用下では大変な苦痛
  • ――金が欲しいのか、人の役に立ちたいのか、海外で働きたいのか、ワークライフバランスをどう考えるのか、等々を「悩む」べし
  • ――悩んだ末の決断であれば、後日の後悔が軽くて済むはず

○ 新卒と既卒の商品価値は雲泥の差

  • ――新卒者を終身雇用する事が基本中の基本
  • ――非正社員の正社員化は非常に困難。正社員の転職も例外的

  
 
(企業規模等によっても千差万別であり、上記は筆者個人の印象である)
 
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