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景気の見方読み方
Sep.07

2007.9.6

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「サブプライム問題に想う」

はじめに> <バブルへの融資> <問題は格付機関にあり?
予測困難な時代


はじめに
 

サブプライム・ローン問題が大きな注目を集めています。事態の経緯や今後の予想、実体経済への影響などについては、すでに様々なところで論じられていますので、今回はこの問題についての感想を述べることにします。

バブルへの融資up

 

サブプライム・ローン問題の発端は、バブルへの融資です。返済能力の乏しい借り手に対して、最初だけ返済条件の緩い住宅ローンを貸すということは、不動産価格が上昇し続けるという前提でないと行なえない行為だからです。問題は、何故そのような融資が行われたのかということです。
不動産価格が1.5倍になるか0.5倍になるか、確率が五分五分だとします。返済能力の乏しい借り手が不動産購入資金を借りた場合、不動産価格が上がれば借り手が大儲けしますが、下がれば貸し手が大損をします。金利が50%であればともかく、そうでない限りは貸し手の期待値はマイナスなのであって、合理的な主体ならば、自分で不動産を購入することはあっても、不動産購入資金を貸し出すことはしないはずなのです。
日本のバブル期には、土地神話が信じられており、下がる可能性を考えずに貸した銀行が多かったのでしょうが、今次米国の不動産バブルは、土地神話が存在しない国で、しかもバブルであるとの指摘も幅広くなされていたわけですから、金融機関がサブプライム・ローンを積極的に貸したのは、不思議なことです。
考えられるのは、融資を実行した金融機関は直ちにこれを証券化して売却するので、自分ではリスクを負わずに利益を手にすることが出来るということです。では、証券化された商品を購入した人は、何故購入したのでしょうか。

証券化が単純なものではなく、合成債務担保証券といったものに組みなおされていたので、買い手にはリスクがよくわからず、格付と利回りの関係だけを見て購入したということかもしれません。そうであれば、何故格付が高かったのでしょうか。
問題は格付機関にあり?up
 

格付機関がどのように格付を行なっているのかわかりませんが、考え得ることは二つあります。一つには、過去のデータで将来を予想していることです。過去のサブプライム・ローンのデフォルト率と将来のデフォルト率が等しいと仮定した上で、これを証券化した商品のリスクはどの程度であるか、といった作業が行なわれている可能性があります。バックミラーを見ながら運転しているようなもので、バブル期には大変危険な運転方法です。バブル期にはデフォルト率が低下し、その後急上昇するからです。今一つは、バブル崩壊の時期も確率も影響の大きさも予測が非常に難しく、これを格付に反映させるのが困難だということでしょう。借り手の財務状況を分析して返済可能性を予測することは、それほど難しくありません。借り手の能力の問題だからです。しかし、バブルの崩壊を予測するとなると、不動産投資家の心理の問題ですから、これは非常に難しいはずです。格付機関は借り手の能力を予測する専門家ですが、投資家の心理を分析する専門家ではありませんから、バブルの時には格付を当てにすることは危険なことなのかも知れませんね。

予測困難な時代up
 

予期せぬ事態が発生した場合、たとえば石油ショックや米国経済の失速といった場合、実体経済面だけを考えれば、日本経済への影響を予測することは、それほど難しくありません。予想もしなかった経路で突然激震が襲ってくるということは考えにくいからです。石油ショックならばインフレで日銀が金融を引き締めるので景気が悪くなるだろうという予測が出来ますし、米国経済失速ならば輸出が減って日本の景気にも下押し圧力がかかるだろうといったことは容易に予想できます。(影響が大きいのか小さいのかを見極めるのは容易ではありませんが)。

一方で、金融市場を通じた影響は非常に読みにくくなってきています。米国の不動産価格が下落すると、なぜ日経平均株価が大幅に下落しなければならないのか、後から説明を聞けば何となく理解は出来ますが、これを事前に予測することは極めて難しいでしょう。今回は邦銀の自己資本不足が解消していたために大事には到りませんでしたが、数年前であれば株価下落による邦銀のBIS規制比率低下が貸し渋りを通じて日本の実体経済を下押ししていた可能性もあるわけで、ぞっとさせられる出来事でありました。今後もこうした事が起きるのだとすると、予測の難しい時代にはいったという認識を持っておく必要があるようですね。
 
今回は以上です。
 
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