| サブプライム・ローン問題の発端は、バブルへの融資です。返済能力の乏しい借り手に対して、最初だけ返済条件の緩い住宅ローンを貸すということは、不動産価格が上昇し続けるという前提でないと行なえない行為だからです。問題は、何故そのような融資が行われたのかということです。
不動産価格が1.5倍になるか0.5倍になるか、確率が五分五分だとします。返済能力の乏しい借り手が不動産購入資金を借りた場合、不動産価格が上がれば借り手が大儲けしますが、下がれば貸し手が大損をします。金利が50%であればともかく、そうでない限りは貸し手の期待値はマイナスなのであって、合理的な主体ならば、自分で不動産を購入することはあっても、不動産購入資金を貸し出すことはしないはずなのです。
日本のバブル期には、土地神話が信じられており、下がる可能性を考えずに貸した銀行が多かったのでしょうが、今次米国の不動産バブルは、土地神話が存在しない国で、しかもバブルであるとの指摘も幅広くなされていたわけですから、金融機関がサブプライム・ローンを積極的に貸したのは、不思議なことです。
考えられるのは、融資を実行した金融機関は直ちにこれを証券化して売却するので、自分ではリスクを負わずに利益を手にすることが出来るということです。では、証券化された商品を購入した人は、何故購入したのでしょうか。
証券化が単純なものではなく、合成債務担保証券といったものに組みなおされていたので、買い手にはリスクがよくわからず、格付と利回りの関係だけを見て購入したということかもしれません。そうであれば、何故格付が高かったのでしょうか。 |