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景気の見方読み方
Aug.07

2007.8.1

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「景気回復で進む財政再建」

はじめに> <景気拡大で赤字は縮小> <改善傾向は持続


はじめに
 

選挙の結果、消費税の議論が難しくなるかもしれません。しかし、経済が成長しても円高にもインフレにもならない状況が続けば、消費税を急いで引き上げる必要性は高くないのかも知れません。今回は、財政について考えてみました。。

景気拡大で赤字は縮小up

 

景気の拡大は、財政赤字を縮小させます。税収が増える一方で、景気対策の公共投資などが不要になるからです。今次景気回復も例外ではありません。小泉政権下で36兆円にまで膨らんだ財政赤字は、19年度予算によれば25兆円にまで縮小します。
財政赤字というのは、一般的な赤字とは異なり、過去の債務の返済分も含みますから、国の借金が25兆円増えるわけではありません。国の長期債務は7兆円しか増えず、その間に名目GDPが増加するため、長期債務の名目GDP比は、前年度よりも低下することになっています。同様に、公債残高の名目GDP比も低下することになっています。
今次回復が財政赤字縮小に寄与している一因は、物価が安定しているために低金利政策が続いていることです。通常は、景気が回復すると金利が上昇し、我が国のように政府の債務残高が大きい場合には、政府の利払い負担が増加して、財政再建の速度を抑制しかねないのですが、今回はそうなっていないからです。低金利が円安を通じて一層の景気拡大や企業収益の増加をもたらしていることも重要でしょう。
今一つの要因は、企業が収益を貯め込んでいることです。従来は、企業は役職員の共同体であり、儲かれば社員にも幅広く分配されていたのが、ここにきて企業が役職員への配分を渋るようになって来ています。このことが、個人消費の伸び悩みをもたらしているわけですが、それが景気の過熱を防いで景気を長持ちさせ、低金利を持続させる要因ともなっているわけです。財政に密接に関係するのは、法人税率がサラリーマンの所得税率よりも高いため、企業収益増は法人税収を大幅に増加させるということです。加えて、企業収益増は株価を上昇させ、有価証券取引税などにも貢献するでしょう。

昨今のポリシーミックスも望ましい動きをしています。日銀はゼロ金利解除時の失敗により、利上げに慎重にならざるを得ず、金融政策は緩和気味に運営されています。一方で、財政政策の方は、定率減税の廃止をはじめとして、緩やかに緊縮財政策が採られています。こうした組み合わせが、景気を過熱も失速もさせずに長持ちさせていると同時に、財政赤字を減らしているというわけです。
改善傾向は持続up
 

こうした流れは、基本的には今後も続くでしょう。財政再建を焦って、景気という金の卵を産む鶏を殺すことなく、長期にわたって緩やかに景気が拡大していけば、結果的には財政にとっても、その方が良いに決まっています。
今後、年金の支払いが増加して財政を圧迫するようになれば、年金の支給を減額するという議論が出てくるかもしれません。その際にも、景気の回復が緩やかに長く続いていれば、人手不足から高齢者を労働力として活用する動きが広がり、年金支給減額(あるいは支給開始年齢の引き上げ)によるショックを和らげてくれるかもしれません。
数年前まで、絶望的に悪いと思われていた財政事情ですが、こうして見ると、もしかすると何とかなる可能性も少しずつ見えて来たのかもしれません。
改善傾向が途切れるとすると、景気が後退するか、インフレになるか、いずれかでしょう。景気に関しては、ひとたび回復をはじめたら、そのまま回復し続ける力が働きますから、海外の景気が失速せず、財政再建を焦りすぎなければ、しばらく拡大を続ける可能性は大きいと思います。インフレに関しては、何十年も起きていないので、日本でインフレが起きる場面がイメージしにくいでしょう。もっとも、少し長い目で見ると、久しぶりにインフレが注目されるようになるのかもしれませんから、そうした可能性を頭の片隅には入れておく必要があるのかも知れません。

 
今回は以上です。
 
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