| 小泉内閣が登場した頃、日本経済は構造問題を抱えているからダメなんだと言われていました。しかし、最近では構造問題という言葉をほとんど耳にしなくなりました。構造問題という言葉自体が、「経済を不振に陥らせている根本的な原因」といった意味ですから、人によって何を指すのかは異なっていたようですが、いずれにしても経済が不振でなくなれば言葉自体が使われなくなるということでしょう。
しかし、それだけではありません。実際にも、このところ、不良債権問題、財政赤字、といった日本経済の諸問題が急速に改善しつつあります。不良債権が減ったのは、銀行が処理したということもありますが、主な原因は景気が回復したからです。景気が悪化を続けている時に不良債権を処理しても、それが不況を深刻化させて新たな不良債権を生むことになるからです。財政赤字が減ったのは、政府が財政再建に励んだこともありますが、主な原因は景気が回復したことです。不況時に財政再建を進めれば、不況が一層深刻化して結局財政出動が必要になるからです。
思い起こせば、小泉内閣発足当時は、企業が設備の過剰、人員の過剰、借金の過剰、という「三つの過剰」を抱えていると言われていましたが、今では設備も人員も不足気味です。これは、景気回復のおかげです。
終身雇用、年功序列賃金制、といった日本的雇用慣行まで問題とされ、中高年はリストラの対象と言われていましたが、今では団塊の世代の大量退職が問題とされています。これも、日本的雇用慣行が変わったのではなく、景気が回復したことの結果です。失業が減り、雇用不安が和らぎ、就職氷河期が去ったのも、景気が回復したからです。
このように、景気の回復には様々な問題を解決してくれる効果がありますが、景気回復の恩恵は、それだけではありません。日本経済を効率化させるという構造改革的な効果も持っているのです。 |