| 米国のGDP成長率は、高かった1−3月期に続いて4−6月もそれほど悪い数字にはならず、経済活動が全体としてみれば未だに活発であることを示唆しています。企業部門の生産や設備投資は堅調を維持していますし、個人消費も悪くない数字が出ています。
しかし、景気の方向としては減速をはじめたようです。雇用拡大テンポが減速してきましたし、何よりも米国経済の好調を牽引してきた住宅ブームのピークアウトが明らかになってきました。住宅ブームに関しては、バブル的な面も指摘されていましたし、経済全体としてもインフレが懸念されはじめている状況ですから、住宅ブームの終焉などによって景気がある程度減速することは、ある意味では望ましいのかもしれません。
今後は住宅投資の冷え込みに加え、ホーム・エクイティー・ローンなどを通じた消費行動も影響を受け、時差を伴って企業部門にも影響が波及していくことが予想されます。問題は、このまま景気が後退(あるいは失速?)するのかということです。
米国景気の今後を考える際に重要なことは、現在の減速が金融政策の影響をどのように受けているのかということです。金融政策が実体経済に与える影響は1年半後から2年後がピークであると言われていることを考えると、やや極端ですが、現在の減速はFFレートが1%から2%に上昇したことを映じたものであり、2%から5.25%までの利上げの影響はこれから出てくるということになります。加えて、住宅ブームが終焉した後にはストック調整による住宅不振期が待っているかもしれませんし、原油価格高騰の影響もタイムラグを伴ってこれから本格化するのかもしれません。
こうしたことを考えると、意外と早く景気が後退に向かい、金融緩和が必要な状況が来るのかもしれません。実際、米国の過去の金融政策を見ると、最後の利上げから最初の利下げまでの期間が短かくなっており、金融政策はタイムラグの長さ故に行き過ぎる傾向があることを示唆しています。(余談ですが、日本においても、昔から最後の利上げと利下げは無駄ないし有害であったと批判された例が多数あることが思い出されます。これは日本銀行が悪いからというよりも、金融政策というのはそれほど難しいものだということなのですが、世の中では日本銀行に対する批判が数多く聞かれることは同情に値すると言えるでしょう)。
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