| ここまで、今次景気のいざなぎ超えが小泉改革のおかげではなく、むしろ改革が軟化した結果であると記してきたが、本稿は小泉改革自体を批判しているわけではない。むしろ、今後の日本経済については構造改革がプラスに働くだろうと前向きに捉えるものである。
経済が長期的に成長を続けるためには、需要と供給がバランスよく伸びていく必要がある。これまでは供給に対して需要が足りなかったため、需要を如何に増やすかが問題であり、供給面に関心を払う必要は薄かった。そうした中で供給面に過度に偏った小泉改革は、景気回復の逆風と言わざるを得なかったわけである。しかし、需要が着実に拡大してきたことから、こんどは景気が回復を続けるための条件として「景気の過熱がインフレをもたらさない」ことが遠からずクローズアップされてくるであろう。これは即ち「需要の伸びに応じて供給力が順調に伸びていくか」という問題であり、こうした局面に至れば供給面に着目した小泉改革が経済成長に大いに貢献するものと期待されるところである。
官の肥大化、利権や既得権の蓄積といった「よどみ」は、戦後60年の間に少しずつ溜まってきたものであり、これを大掃除しようという試みは、日本経済を効率化・活性化し、供給力を高め、需要の増加に応じた供給体制を維持することに貢献するであろう。
|