| 父の時代は、核家族化していった時代ですから、子供が親の近くにいて介護をすることが難しいケースも多いでしょう。また、「嫁は嫁ぎ先の親の面倒を見るのが当然だ」という時代でもありませんし、一方でサラリーマンが会社を休んで親の介護をすることも難しいでしょう。我が家は幸いに母が元気でしたから、母を中心に家族で父の面倒を見ることができましたが、将来母が要介護になった時の事を考えると心配が尽きません。
少子高齢化というと、財政赤字の問題をはじめ、労働力不足とISバランス悪化にともなう経常収支の赤字化、農村の過疎化と国土の保全等々、マクロの問題が数多く思い浮かびますが、ミクロレベルでの介護負担も深刻な問題でしょう。父の世代には、子供の数がそこそこ居ましたから、最後は何とかなる場合も多いでしょうが、筆者の世代以降は少子化が進んでいますから、場合によっては「夫婦二人で四人の親を介護する」というケースも出てくるでしょう。
介護は肉体的、金銭的に大変なだけではなく、精神的にも大変な仕事です。何よりも、育児と違って楽しくありません。家族の団欒があるわけでもなく、子供の成長が見れるわけでもなく、状態が悪化していくのを見守るしかありません。親が痛がったり苦しがったりしても、何もしてやることは出来ません(筆者にとって幸いだったのは、父があまり痛がったり苦しがったりしなかったことです)。
医療技術が進歩したおかげで親が長生きしてくれるのは嬉しいのですが、何の楽しみも無く意思表示も満足にできない父を見ていると「父にとって、今日一日生きていたことが幸せだったのだろうか」などと考えて沈み込んでしまうことも少なからずありました。
夫婦二人が4回も介護をするということになれば、その負担は相当に重いものとなるでしょう。家族の絆が緩んでいけば、それほど熱心に介護をしない子供が増えるのかもしれませんが、それはそれで親が困るということで、いずれにしても介護の問題は今後の日本の大きな関心事項となっていくように思います。
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