| アジア諸国の通貨制度が如何にあるべきかという議論は、通貨危機を契機として幅広く行なわれてきた。欧州におけるユーロの誕生も、アジアでの通貨制度の議論を促してきたと言えるだろう。そして昨年は、中国が事実上の固定相場制を放棄して「管理された変動相場制」を採用したことで、アジアの通貨制度全体にかかる新しい枠組みというものが現実味を増してきた感がある。
筆者としても、アジア諸国の為替相場が相互に安定すること自体は大いに期待する。しかし、一連の過程の中で巧く立ち回らないと、日本として思わぬ不利益を被るとの懸念を禁じえない。下手をするとアジア通貨の中で円だけが孤立し、ひいては域内経済統合の流れの中で日本経済だけが孤立するという事態を招きかねないのである。本稿は、こうした事態を回避するための一方策として、日韓の為替協調を先行させるという提言を行なうものである。
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