| 小泉首相は、天才的な政治センスの持ち主だと思います。「自らを改革の旗手と位置づけることによって、自らに反対する人はすべて抵抗勢力と定義する」という手法は、ひとたび国民の支持を得れば、これほど望ましいポジショニングは考えられないほどです。彼に反対する人はそれだけで国民の支持を失うことになるからです。
彼が改革家であるのは間違いないでしょうが、いささか羊頭狗肉のところがあります。道路公団の民営化は実を捨てて名をとったものでしたし、今回の郵政民営化も「毒にも薬にもならない代物」でしょう。彼は財政赤字30兆円という公約も守りませんでしたし、第一次骨太方針にある「痛みに耐えて」といったハードランディング路線も大きく後退しています。(筆者はハードランディング路線の後退を批判しているのではありません。むしろ上述のように、経済情勢を客観的に眺めれば、後退してよかったと思っています)。ここが第一のミソです。本当に痛みに耐えて改革を行なえば、改革賛成派の支持は得られても痛みを受ける人々は離反するでしょう。大幅な改革を謳って改革派を見方につけ、実際には痛みの少ない小幅な改革に止めることによって、「被害者」の離反を免れるということができるからです。
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