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| 中国経済 |
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| 中国に目を転じると、中国経済は問題を抱えながらも猛進を続けています。一言で言えば、日本の高度成長期に似ているわけです。需要が非常に強い一方で供給も高速度で伸びていますので、高い経済成長率が続いているというわけです。貧富の差の拡大、公害、不動産バブル的な動き、といった問題は抱えていますが、成長期の子供のようなもので、急激に発展する経済が完全にバランスよく育つなどということは期待できない中にあって、成長の持続を決定的に阻害するような特段の要因は見当たりません。
短期的には、引締めによるハードランディングを懸念している人が少なくないようですが、そうした可能性は小さいでしょう。バブル的な現象は局部的に生じているに過ぎないため、政府としてはピンポイントで「上海の高級不動産に対する譲渡益課税」といった対策を打つだけで足り、景気全体を冷やす必要はないでしょう。インフレは落ち着いており、インフレ抑制のための金融引締め策なども必要ないでしょう。さらに重要なことは、中国政府は、失業者が増えて社会不安から暴動が起きることを最も懸念しており、本気で過熱経済を引き締めようという気がないということです。 中期的にも、中国の高成長は続くでしょう。今の中国には、日本の高度成長期よりも恵まれている面が少なからずあります。日本の高度成長期に制約条件であったのは外貨不足と人手不足でしたが、今の中国には外貨も人手も充分にあります。また、外資系企業が直接投資をすることで、資金と技術(および本国の市場)が利用可能となることも、当時の日本と比べて成長を容易にする要因と言えるでしょう。(くわしくは、拙稿「中国経済の中期展望(http://www.tsukasaki.net/report/report0409.html)」ご参照) なお、中国を理解する上で、知っておいていただきたいことは、中国の政治体制が江戸時代の日本に似ているということです。江戸時代の日本は各藩が独自の経済政策を採っており、中央集権とは程遠いものでしたが、今の中国も同じくらい中央集権から程遠いと考えてよいでしょう。汚職や腐敗も横行しているようです。しかし、だから成長率が保てないということにはならないでしょう。各省の競争は成長率を高める方に働くケースも多いでしょう。汚職や腐敗は経済成長にマイナスですが、「昨年も汚職や腐敗があったが、それでも高い成長率を記録した」ことを考えれば、今年の成長率が昨年より低くなる理由として汚職や腐敗を挙げることは適当ではないでしょう。 |
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| 日本経済 |
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| 日本に目を転じると、日本経済は踊り場を抜けて再び拡大トレンドにはいっています。昨年後半になぜ踊り場があったのか、あまり明確な理由があったわけではありませんが、一つには昨年前半の輸出が伸びすぎて、後半に頭打ちになったことが挙げられます。米国と中国の経済が昨年夏場に小幅な減速を見せたことに加え、中国の在庫管理などが稚拙で前半に輸入しすぎたといったことも影響しているのでしょう。今一つ、デジタル家電が絶好調の反動で緩んだということも挙げられるでしょう。しかし、輸出もデジタル家電も、大きな拡大トレンドの中の小休止ということでしょうから、私のように人工衛星から大きな流れを見ている立場からすると、気にする必要はなさそうです。
上述のように、景気というものは拡大を始めると好循環が働きますから、これを止めるような大きな力が働かない限り、当分は拡大が続くと考えてよいでしょう。海外要因としては、米国経済も中国経済も失速は見込まれず、急激な円高の可能性も大きくはなさそうです。国内的にも小泉改革が「外科手術」的に景気を腰折れさせる可能性は消えたと見てよいでしょう。1−3月期のGDPが高成長となったことを見ても、大きなトレンドとしての景気拡大は持続しており、今後とも当分は持続するというのが私の大局観です。 今一つ重要なことは、日本経済が復活したため、久々の大型景気がくるかもしれないという大局観です。数年前と比べてみると、金融危機の可能性は激減しています。企業が「設備の過剰、人員の過剰、負債の過剰」を抱えていると言われていたのも数年前のことで、今ではいずれも概ね適正水準と言えるでしょう。「グローバルスタンダードを導入しない限り日本経済はよくならない」といった極端な悲観論も影を潜めており、「景気は気から」という観点からも心強い限りです。採用を絞りすぎた企業が若手の採用を積極化する、都心の土地が下がりすぎたので、買い控えの需要が一斉に顕在化する、といったことも期待できるかもしれません。(くわしくは、拙稿「超悲観論からの解放(http://www.tsukasaki.net/report/report0407.html)」を御参照)。 こうしてマクロ的には日本経済は拡大トレンドをたどるわけですが、今回の景気の特徴は経済主体による景況感格差が激しいということです。大都市と地方、大企業と中小企業、素材産業とゼネコンといった違いに加え、収益の好調な企業部門と所得の伸びないサラリーマンといった格差も鮮明です。従来は景気のよい時には日本人のほとんどが好況感を共有できたものですが、今回はそういうわけにいかないわけです。このことは、皆様の運用に際しても、ご自身の周りの人々の景況感に惑わされないように、マクロ的な景気を的確につかむ必要があるということを意味しています。私達景気の予想屋も同様で、自分たちの周りの人々の景況感に惑わされないように注意する必要があるというわけです。むずかしい時代ですが、それだけにやりがいがあるとでも考えるしかないでしょう。 |
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| 為替と金利 |
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| 為替と金利の話に移りましょう。市場関係の方からすると、「ファンダメンタルズを見ている連中は、為替と金利を理路整然と間違える」という傾向があるようにお感じかもしれませんが、いろいろな見方を聞いておかれることも無駄ではないとお考えください。 まず、金融政策は、非常に選択肢が幅広い状況です。「景気がよいので利上げをしても問題はないが、インフレ懸念が皆無なので利上げをする必要はどこにもない」というわけですから、「景気は悪いがインフレが心配で金利が下げられない」というありがちな状況と比べると、いかに今の日本経済が良好な状態にあるか、改めて認識させられるわけです。 こうした中で、日本銀行は自ら手足を縛り、超緩和を当分続ける姿勢を示しています。ゼロ金利解除時の失敗がトラウマとなって金利が上げられないとか、日銀が政府の言いなりになっていて独立性が失われているとか、批判的に見ることも可能でしょうが、結果として財政赤字の削減を優先するという望ましいポリシーミックスが採用されているわけですから、目くじらをたてる必要はないでしょう。 短期金利が当分上がりそうもないことは、イールドカーブ面から長期金利を抑えます。また、超緩和の持続が景気回復を持続させて税収を伸ばすといったことが財政赤字を縮小させるため、需給面からも長期金利は抑えられるでしょう。企業の資金需要が引続き弱めで推移すること、日本の資金は為替リスクを嫌うためにホームバイアスが強いこと、などを考えると、消去法的に日本国債に資金が集まらざるを得ないということも長期金利を抑えるでしょう。したがって、景気回復下の長期金利安定といった状況は当分の間続くと考えてよいでしょう。 為替については、グリーンスパン議長でさえもわからないと言っているので、私が何か言うのも憚られますが、強いて言えば日米金利差が拡大していくなかで急激な円高が進むとは考えにくいでしょう。仮に急激な円高が進めば、日銀が介入で止めるでしょうから、いずれにしても極端な円高にはならないと思います。 市場に関してのリスクとしては、米国の利上げなどによってグローバルな過剰流動性が縮小していくなかで、信用力の乏しい借り手が資金繰りに破綻をきたす可能性が挙げられるでしょう。途上国については、資源国は資源価格の高騰により、アジア諸国は対米輸出の好調により、それぞれ外貨繰りに余裕がありますので、従来よりは懸念が薄いのかもしれませんが、何かあるかもしれませんので、ある程度の注意はしておいた方がよいように思います。 最後に、市場関係者の間で注目度の高い話題として、人民元の切り上げに触れておきたいと思います。結論的には、人民元は上がらないでしょう。 以上です。 |
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