| バブルが崩壊してから15年が経過し、バブルの後遺症に悩んできた日本経済が、後遺症から解放され、押さえつけられてきた需要が表面化してきています。こうした大きな流れがあることも、景気回復を持続させる力強い要因となっています。
バブル崩壊以降、企業は「設備、人員、負債の過剰」を抱え、設備投資や人員採用を控え、負債の返済に注力してきました。10余年にわたる努力の結果、こうした過剰は概ね解消されましたが、振り返ってみると設備は古くなっており、正社員の年齢構成も歪んでいるわけで、潜在的な設備更新需要、新卒採用需要は高まっているはずです。こうした中で企業収益が順調に拡大してれば、潜在的な需要が顕在化していくことが期待されます。
銀行の不良債権問題も峠を越え、銀行経営が攻めに転じたと言われています。不良債権問題が貸し渋りをもたらしていたのか否かは議論がありますが、少なくとも銀行員のマインドが積極化したことは景気にとって明るい材料だと言えるでしょう。
都心の地価が反転をはじめたのも明るい兆しと言えるでしょう。「現在の価格ならば買いたいが、来年まで待てば更に値下がるだろうから、買うのは来年にしよう」と考えて待っていた需要が「もう下がらない」と思ったところで一斉に出てくるかもしれません。
昨今の景気については、90年代後半の超悲観論から解放されたことの影響が大きいことにも留意が必要です。「米国的なものは素晴らしく、日本的なものは遅れているので、日本経済に明日はない」といった論調がまかり通っているときには、設備投資や耐久消費財購入といった需要は手控えられがちです。「景気は気から」と言いますから、日本経済についての認識が変化したことの影響も大きいと考えるべきでしょう。
今後の懸念材料としては、政府が財政再建を焦って「税収という金の卵を得ようとして景気回復という鶏を殺してしまう」という可能性、急激な円高が進んでデフレが再燃してしまう可能性、などが挙げられます。もっとも、政府も過去の経験から学んでいるために、増税は景気を睨みながら慎重に進めていくでしょうし、デフレを再燃させるような急激な円高には介入で対抗するでしょうから、結論的には景気が失速するような事態には陥らないと考えてよいように思います。
今ひとつ、海外経済の展開についても注意深く見ておく必要があるでしょう。米国や中国の景気が大きく鈍化するとは思われませんが、米国や中国の景気が少しでも鈍化すると日本経済に大きな影響を与えるというメカニズム(下記おまけ2、3御参照)が働いている可能性もあるからです。
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