| 通常、景気が回復してくると、金融政策が少しずつ引き締められ(=金利が少しずつ上昇し)、財政政策も少しずつタイトになっていく(=財政赤字が少しずつ減らされていく)のですが、今回は日銀が緩和を続けるとすると、金利が上がらずに財政赤字が順調に減っていくという組み合わせ(ポリシーミックスと呼びます)になるかもしれません。
景気が回復すれば、税収が増えますから、財政赤字は減ります。この効果は一般に考えられているよりも大きなものです。まず、景気回復により企業収益が改善しますが、法人税率が高いため、これが税収に大いに寄与します。景気回復によりサラリーマンの所得も増えますが、この分は累進課税なので、所得が増えた以上に税収が増えます。さらに、景気がよいと株価があがり、譲渡益課税などが増えます。地価まで上がることになれば、土地の売買が活発化して取引税や譲渡益税がはいるほか、相続税なども増えるでしょう。
金利が上がらない分だけ景気の回復幅が大きくなります。その分だけ財政赤字の縮小幅も大きくなるでしょう。また、景気が本格的に回復すれば、増税や歳出削減という対策も採られるでしょう。通常は増税や歳出削減は政治的に困難だといわれていますが、今回は財政赤字削減の必要性が国民に認識されていますし、小泉内閣は財政再建にことのほか熱心ですから、増税や歳出削減を断行するかもしれません。もしも増税などの規模とタイミングが非常にうまくいけば、景気が順調に回復し、しかも過熱してインフレを招くことがない程度には景気を抑制するという可能性もないわけではありません。
理屈の上では、「金利は永遠に0.1%に固定して、景気の波は増減税と歳出の増減で調節する」ということも考えられないわけではありません。機動性に問題があるので、ここまで極端なことは現実的ではありませんが、考え方としてはこれに近い姿がイメージされるというわけです。
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