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昨年秋ころは「米国はソフトランディングするだろうし、企業部門は比較的好調だが、個人部門が雇用所得環境の不振から低迷しており、景気は悪化に転じるかも知れない」と言っていた「弱気派」も多かった。しかし、結果は「米国経済は大幅に減速し、企業部門は生産もマインドも大きく落ち込んだ。個人消費は予想以上に健闘しているが、景気全体としては後退寸前の状態にある」ということになった。結果として景気は芳しくないが、弱気派が当たったということではないだろう。
「構造改革をやれ」という声と「景気を回復させろ」という声が両方海外から聞こえてくるが、構造改革は外科手術であって短期的な景気を悪化させるということを認識していない声があるとすれば問題だ。政府は重要な政策の決定を行う前に、「構造改革を行った場合の中期的な経済見通し」と「構造改革を行わない場合の中期的な経済見通し」を内外に示すべきであろう。大手術をする前に「患者の体力を考えた上で、手術の結果はこうなると思う」という見通しを策定するというのはアカウンタビリティーの観点から当然のことであり、「この慢性疾患は健康的ではないから、患者の体力の有無を調べずに外科手術しよう」というのは責任ある政府の考えるべきことではなかろう。
景気悪化の度合いは構造改革の徹底度合いによるので予測は困難だが、来年度にかけて、人々がイメージしているよりは相当悪くなる可能性もあり、心配だ。
(日本の株価)
株価は、改革への期待から上昇しているが、改革が中途半端におわれば失望で売られるだろう。問題は改革が徹底的に行われた場合だ。改革の結果として短期的には大幅なマイナス成長になる可能性も大きいが、市場がこれを「改革に伴う痛みである」と肯定的に捉えるか、「マイナス成長の結果として財政赤字は膨らむし企業倒産増加に伴い銀行の不良債権は増加するし、日本は売りだ」と捉えるかは、状況次第だろう。もっとも、市場では改革のプラス面が注目されている一方で付随する痛みに対する注目度が今ひとつ低いようなので、実際にマイナス成長となった場合の市場の反応は心配だ。
米国の景気は市場が思っているよりも悪いだろう。それが明らかになってくると、米国株の下落に伴い日本株が下落するリスクもあるだろうし、ドル安円高になるとすれば日本企業の収益悪化も心配だ。
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